子どもの前では、夫婦喧嘩をしないようにしている、と言うお母さんがいる。
気持ちはわかるが、子どもを侮(あなど)ってはいけない。
お父さんの悪口を言いたくてしょうがないことは、とっくにバレている。
そして子どもは、険悪な空気に気づいていないフリまでしてくれる。
それならばむしろ、子どもの前で多少ドンパチやろうとも、そんなことでビクともしないほど夫婦の絆は強固なのだ、ということを示せた方が良いのではないかと思う。

もう離婚したお母さんの場合。
子どもの前でずっとお父さんの悪口を言い続けるお母さんがいる。
それだけの理由があって別れたのだから、悪口を言いたくなる気持ちもわかる。
しかし、子どもにとっては、それでも世界に一人のお父ちゃんである。
その父親がアンポンタンのポンコツだと言い続けられるのを聞くのは、ちょっとしんどい。
なんだか自分も半分、失敗作のような気がして来る。
だから、こういう場合には、できるだけ悪口は少なめにして、「お母さんとは合わなかったけれど、良い人だったよ。」くらいは言いたいところである。
もちろん子どもは気づいている、それが無理なウソだということを。
それでも自分のために良いように言ってくれているんだな、ということにやがて気づくようになる。
そこに母の愛がある。
(お母さんの愚痴を言う相手は他に確保しておきましょう。これはこれで溜めてはいけません)

なんだか今日は人情噺のようになったな。

 

 

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