ある日、断りもなく「介護保険被保険者証」が送られて来た。
そして別の日には、私の許可もなく「年金請求書」関係の書類が送られて来た。
ああ、そうなんだ。
65歳になったんだ、高齢者になったんだ、と改めて思う。
しかし、そんなに老人になった自覚もない。
流石にこの仕事をしているので、年を取ることへの否認があるわけでもない。
年を取ることによって失っていくこともちゃんと感じているし、
年を取らなければわからなかったこともちゃんと感じている。

そんな法律や行政の決めたラインとは別に、私には私の目安がある。
私が近藤先生の教育分析を受け始めたのが、先生が77歳のときであり、それまでにまだ12年ある。
また、先生が亡くなられたのが87歳のときであり、それまでにはまだ22年ある。
それならまだもう少しはミッションを果たす時間がありそうだ、と思いそうになるが、

今年で近藤先生が亡くなってから25年になる=その時間は本当にあっという間だったことを思えば、
残された時間はそんなに長くないな、とも思う。
しかも、天災、人災、病災が起これば、そんな目安も一瞬で吹っ飛んでしまう。

そんなこともあってか、今回の人生において与えられたミッションを果たしたい、という思いは日に日に強まって来ている。
そのミッションとは、人の成長に関わる、ということである。
以前からあった感覚であるが、面談の予約が空いている時間があると、ちょっと落ち着かなくなる。
それはもちろん経営のためではなく、その1枠分、人間の成長に関われなかったという残念感である。
この世の中に私が出逢うべき人、その人の成長に関わるべき人が、まだまだたくさんいる気がしているし、
既に逢っている人、面談を行っている人に対しても、もっともっとその人の成長に関わりたい思いは湧き続けている。

そんな中で、もっと面談希望の人が始めやすいやり方はないか、さらなる成長につながりやすい企画はできないかなど、以前にも増して思案中である。
できれば早いうちに具体的な形にしてその案をお伝えしたいと思う。

生かされている時間は本当に短い。
年を重ねるにつれ、確かに、蓮如の『白骨の御文(おふみ)』が実感を持って迫って来る。

「朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて、夕には白骨となれる身なり」

許される限り、一人でも多くの“あなた”、一回でも多くの“あなた”の成長に関わって行きたいと心から願っている。

 

 

 

 

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