一昨日、昨日と、虚栄心について書いて来たが
考えてみれば、我々凡夫に虚栄心のない人間などいるのか、ということにもなる。
多分いないだろう。
だったらせめて、虚栄心でやっているのに虚栄心でないかのようなフリをするのだけはやめようよ、と私は申し上げたい。

どうせ虚栄心からみせびらかしてるのがバレてるんだから、それを認めなさい。

「すいません。虚栄心からフェラーリをわざわざ人目につくように乗って来ました。エクゾーストノイズもバリバリいわせてます。できましたら『すっげぇ!』『高そう!』などの賛辞を言っていただけるととても嬉しいです。」

「お忙しいところ大変申し訳ありませんが、虚栄心からケリーバッグを用もないのに持って来ました。さっきからちらちら振り回してます。それでもし宜しければ『かっこいい!』『セレブー!』なんて大きめの声で言っていただけると非常に幸せです。」

「お嬢さん、頼みますよ。虚栄心からわざわざアメリカまで行って撮って来た大谷翔平とのツーショット写真を人目につくように飾ってるんですから、是非とも写真に気がついて『大谷翔平と知り合いなんですか!?』(←だからどうだってんだ)『皆さーん、〇〇さんのところに大谷翔平とのツーショット写真があるんだって!』と周囲に言いふらして下さいよ。」

などと言えれば、大変正直であるし
少しは可愛げも出て来る。

中には奇特な人がいて
「しょーがねーなー。じゃあ、付き合ってやるよ。」
などと言ってもらえるかもしれない。

それに、そこまで正直にやっていると、不思議なことが起きて来る。 

「なんだかなぁ。」
「何やってんだろうなぁ。」
と心底、馬鹿らしくなって来るのである。

実は、虚栄心を正面から認めることは、虚栄心自体を骨抜きにすることにもつながることも知っておいていただきたいと思う。

 

 

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