「私、患者さんから『先生直してくれ』っていわれて、私は直せません、あなたの中にあるものが直すんですよ。ただ出来るだけのお手助けはしますがとそう言うんですよ。」(近藤章久座談会『欲望と人間』より)

そして、
「もうひとつ付け加えさせてもらえば、人間が煩悩を持っているからこそ、苦しみ悩みを種にし、縁にして何か自分の中に、自分を越えたもっと大きな力、それで本当に支えられ、生かされている自分を感じることが出来るとすればね、私は人間煩悩喜ぶべしと思うんですがね。」

人間は本当に苦しまないと深まらないんです。
まだちょろまかせているうちは大して苦しんではいないんです。
本人は大袈裟に言いますけどね。
死ぬもできず、狂うもできず、生きるもできず、となったとき、開けて来る世界があります。

禅ではよく「頭燃を払うが如く」と言います(髪の毛に火が燃え移ってそれを必死に払うように)。
私は「鉄板で下からあぶられるように」と感じましたし(あちちあちちあちちで足をつけていられません)、
「釣り天井が下がって来るように」とも思いました(無数の槍が天井から迫って来てもうすぐブスブスと体に刺さります(時代劇で時々見ます))。

だから今まさに苦しんでいる人は、悲観しないで下さい。
「絶後再び蘇(よみがえ)る」
逃げないで誤魔化さないで真正面から苦しむからこそ与えられる本当の救いがあります。

 

 

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