どの社会でも“新人の利点”というものが存在する。
中でも一番に強調したいのは、新人だからこそ、わかりません、知りません、できません、が言いやすいというところである。
これは大きな強みだ。
いろんな問題が山積みでも許される。
だって右も左もわからない新人なんだもの。
ならばそれを活用しない手はない。

私が近藤先生の許(もと)を訪れたのは、精神科医として初期研修2年目が終わる頃であった。
文字通り、個人として抱える問題は山積みで、自分としてもアップアップであった。
だから却って、勝負に出やすかった。
もう先生、全否定でもなんでもして下さい。
何もわかっていない、それだけじゃない、ろくでもないことばかり身に着けている私です。
だから、どんな恥ずかしい話も、どんな情けない話も、どんどんすることができた。
良いように解するならば、これより下はない、後は伸びしろだけ、だったのである
そんな中でも、このままでいたくない、いられない、這(は)ってでも成長したい、という気持ちだけはあった。

だから新人の方々にはお勧めしたい。
自分自身と勝負するなら今だよ。
別に、私のところへ来い、というようなセコいは言わないから
どこでも良いから、誰の許でも良いから、あなたが信頼できる人のところで、自分自身と向き合ってみよう。

時間はあっという間に経ってしまう。
何もわかっていないくせに、わかったような顔をし始める前に
未解決の山積みの問題のせいで、クライアントや同僚に害毒を流し始める前に
新人たちよ、勇気を振り絞って、踏み出すのは、今だっ!


 

 

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