「不思議に人間っていうものは、お互いにね、共通の弱さを持ってる人間の方が結ばれやすいんですね。」(近藤章久講演『親と子』より)
確かに。
自信満々のヤツやエラソーなヤツらは、あんまり集いそうにない。
人間は、傷を抱えたヤツ、痛みを抱えたヤツ、弱さを抱えたヤツ同士の方が話しやすいし、結ばれやすいよね。
しかし、その関係性が、ただ傷口をなめ合って、一緒にさらに暗い深みに落ちて行く闇の仲になってしまうのか、
それとも、一緒に支え合い助け合って成長して行ける光の仲になって行けるのかでは大きな違いがある。
実は対人援助職の重要な役割が後者の中にある。
対人援助に関わろうというのだもの、あなたの心の中にも恐らく何某(なにがし)かの傷や弱さがあるよね。
だから患者さんや利用者さんの心の傷や弱さに寄り添いやすいし
患者さんや利用者さんもあなたに話しやすいというところがある。
これもまた“仲間の匂い”というヤツだ。
そして問題はそれから。
あなた自身がその問題を解決しようとして来たか否か。
解決していなければ、一緒になってさらに暗い深みに落ちて行く危険性があり
もし解決していれば(少なくとも一所懸命に解決しようとしていれば)、一緒になって成長して行ける可能性が開ける。
私としては、折角、心の傷や弱さを知っているんだもの、後者になることを強く強く願いたい。
結局のところ、私はそのために。この八雲総合研究所を開業しているのである。