先日、岩波文庫の『日本書紀』全5巻を読み終えた。
就寝前に少しずつ読み進めたのだが、思いの外、時間がかかってしまい、全巻通読に5年以上も要してしまった。
原文にこだわったために時間がかかった面もあるが(日本古典は原文ならではの語感が大事だと思っているので現代語訳だけを読むことはない)、なんのことはない(あくまで私見)『日本書紀』はつまらなかったのである。
『古事記』でさえも、編纂の際に体裁を整えるためにまとめたようなところは面白くなかったが、『古事記』には古い故事がそのまま伝わっているようなところがたくさんあり、時に「魂振り」が起きてるんじゃないかと思うほど感動する箇所がいくつもあった。
しかし『日本書紀』は、大和朝廷としての体裁を整えるためにまとめられたものという印象が強く、面白いと感じるところに乏しかった(ないわけではないが…)。
そもそも日本人なんだから記紀(『古事記』と『日本書紀』)くらいは読まなくっちゃ、と始めたチャレンジであったが、他の人に『日本書紀』を勧めるかと問われれば、やっぱり勧めないな。

他方、『古事記』となると、現代語訳でもマンガでも構わないから、一度は読んでみては、とお勧めしたくなる。
そしてもし気に入ったならば、是非原文にも当たってみてほしい。
原文で読まなければ味わえない感触があるのよ。
それに上古文とは言え、どこまでいっても日本語だから、繰り返し読むうちに、なんだか知らないけれど、わかって来るものがある。

記紀どちらにせよ、もし贔屓(ひいき)の神さまが見つかったならば、その神さまを祀った神社に出かけてお参りしてみることもお勧めしたい。
これまた得(え)も言えない体験を授かるかもしれない。

やはり行き着くところ、神道は理屈でなく体験だな、と改めて思うのでありました。

 

 

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