電車が鉄橋を渡る夕暮れどき、車窓から見える風景が気に入っている。
茜色に染まる川の土手の道。
走る小学生たち、笑顔の家族連れ、談笑しながら学生たちが歩いている。
そんな光景の中で、たった一人立ち尽くし、両手をポケットに突っ込んで、夕暮れを見上げている人がいる。
広い景色の中、そんな人をつい見つけてしまうのは、それがかつての自分の姿だからだろう。
ずっと見つめていれば良いさ。
誤魔化して作り笑顔で群れるくらいなら、一人でそうしている方がずっとましだ。
魂さえ売らなければ、見えて来る明日がある。
あなたがあなたでいることを支持してくれる人にきっと出逢えるさ。
そう。
そうやって立ち尽くしているのは、かつての私だけではなく、今のあなたなのかもしれない。