「男を惚れさす 男でなけりゃ 粋な年増は 惚れはせぬ」
都都逸(どどいつ)である。
都都逸は、江戸時代末期に成立した七七七五を基本とする定型詩であり、情歌として三味線の伴奏で歌われた。
この都都逸の音律は伝統的に好まれ、
戦前昭和の歌謡曲、東海林太郎『名月赤城山』でも、
「男ごころに 男が惚れて 意気がとけ合う 赤城山」
とあり、
サザンオールスターズ『東京シャッフル』の
「恋の花咲く ロマンの都 女ばかりに 気もそぞろ 夢もほころぶ 小意気なジルバ 君と銀座の キャフェテラス」
も同じ音律である。
ちなみに、江戸期でいう「年増(としま)」とは、数えで二十歳を指した。「数え」=「数え年」とは、生まれた日を一歳とし、元旦(一月一日)を迎えるごとに年齢を一つ加える年齢の数え方である。従って、数えで二十歳とは、今の年齢の数え方=満年齢でいうと、十八歳あるいは十九歳となり、かなり若い。江戸時代では、十六歳~十七歳が結婚適齢期(←今は死語)であった。
ああ、それにしても、男女を超えて、LGBTQ+も超えて、人間が人間に惚れるとは、なんと豊かな出逢いであることか。
こういうとき、近藤先生の顔が浮かぶのである。