「今は情報化の時代ですからね…沢山情報は何時でも、直ぐ、早く手に入るのですけれども…本当に何か自分自身の、何というか、自分の存在全体にグンとこたえるような感動、自分の心と身体全体をゆり動かすような、そういう種類の情報を我々は今日感じられるでしょうか。私はひとにこういう感動をもたらし、気づかせるのが本当の情報だと思うんです。…
情報がたとえ早く、しかも多くなっても、よほど、心を落ち着けて、どんな情報が自分にとって本当に必要か、よほどよく考えないと混乱してしまって、世界中にあふれるほどの沢山の情報があっても心の落ち着きは運んでくれないのではないでしょうか。いわんや本当の心の落ち着きのもとである安心はもたらされないのではないか、と思います。…
私は年を取ることはいいことだと思います。年を取らないと分からないことも沢山ありますし、つまらないこともあんまり感じなくて済みます。そこで『年を取らして頂いて有り難いなぁ』と思って頂きたい。若い時代は若い故に沢山の情報に敏感でつまらない事で悩んだり、苦しんだり、求めたりして、波にももまれるように暮らしているものです。それに比べれば年をとると、頑固になることに十分注意すれば、何か心が騒がず、落ち着いて来るものです。これは年寄りの有り難さなんですね。」(近藤章久講演『情報化社会は人間を救うか』より)

 

若い頃は、できるだけたくさんの情報を、できるだけ早く入手して、うまいこと立ち回りたいと思うものです。
それで、そのうまいこと立ち回って得た報酬はどれほどのものなのでしょうか。
たとえそれで天文学的な収入を得たとしても、世俗的な名声を得たとしても、それで本当の出生の本懐(自分が今回この人生に生れて来た意味)が得られるのか、ということとは別問題なわけです。
それならば、たくさんの情報を早く、というとらわれを脱して、本当に重要な、深い感動や安心をもたらしてくれる情報にのみ絞り込んで行くことが必要なのかもしれません。
特に若い方々にはそのことをお勧めします。
そして年輩の方々は、折角、意図的に頑張らなくても自然にガツガツ立ち回ることができなくなるようにしていただいているわけですから、
本当に重要な、深い感動や安心をもたらしてくれる情報だけを大事にして行くことがより容易に行いやすいわけです。
従って、老若男女を問わず、絞りましょ、ホンモノの情報に。
ホンモノの人生を生きていくために本当に必要な情報は、それほど多くないのかもしれません。

 

 

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