2021(令和3)年2月18日(木)『肛門を締める』
変な題だが、なんのことはない、丹田呼吸の話である。
深呼吸でもなく、腹式呼吸でもない、丹田呼吸については、ご希望があれば、面談のときに一人ひとりご説明しているが、今回はその要点のひとつ、「肛門を締める」ことについてお話したい。
丹田呼吸において、肛門を締めることは非常に重要である。
中でも、肛門を締めるポイントに二つある。
ひとつは「呼気」、息を吐くとき。
もうひとつは「吸気」、息を吸うとき。
呼気・吸気の両方で肛門を締めて良いのだけれど、その人その人によってまずどちらに重点を置くかが違って来る。
近藤先生も、講演によって、人によって、時機によって、力点を変えておられた。
一般の講演などでは、呼気のときに肛門を締めることに力点をおいて話されることが多かったが、
例えば、私の場合には、吸気のときに肛門を締めることから教えて下さった。
では、両者の違いは何か。
(1)呼気、息を吐くとき、肛門を締めながら、どこまでも息を吐き出して行く。
息を吐くことの徹底のために肛門を締める。
そのとき吐き出して行くものは何なのか。
我々のとらわれや執着や我(神経症的自己中心性)を吐いて行くのである。
よって、とらわれや執着や我の強い人は、まず呼気中心に肛門を締めて行けば良い。
肛門を締めて締めて締めて徹底的に吐いて行く。
(2)もうひとつは、吸気、息を吸うとき。
呼気で息を吐き切れば、吸わずとも吸気は自然に入って来る。
ゆ〜っくり深く大きくどこまでも入って来る。
そして全身に入り切ったときに、全ての気を丹田に圧縮して行く。
このときに肛門を締める(吸気の最初から締めるのではない)。
締めながら圧縮して行くと、丹田(下腹部)に気の塊が感じられて来る。
その実感が重要なポイント。
よって、肚が据わること、ブレないこと、揺さぶられないことを養うには、まず吸気中心に肛門を締めることを練習されれば良い。
私のところに個人面談で来られている方たちの経験では、こちらから入った方が良い方たちが多いため、私は吸気のときに肛門を締めることからお勧めしている。
…と書きながら、体験に属することを文章では伝えるにはどうしても限界があるため、不明な点があれば、面談の際に直接、お尋ねあれ。